1.はじめに
森や野原、川辺に広がる野草や樹木は、季節ごとに異なる表情を見せ、その姿や色合いを楽しむことができます。
野草や山菜などの野生の植物は、その美しさだけでなく、食材として私たちの食卓を彩り、栄養価や独自の風味も兼ね備えているものが自然の中にたくさんあります。
これらの野生の植物は、これまでにさまざまな食文化や伝統的な知識があるものも多く、種類や調理法まで多様であり、私たちの食生活を豊かにしてくれます。
ここでは、その豊かな自然の恵みを知り、野生の植物を食卓に取り入れるために、初心者におススメの本を紹介します。
2.安全な採取と注意点
野生の植物を食卓に取り入れる場合、自ら採取しなければ手に入らない場合が多々あります。
その場合は、安全性や環境への配慮することも大切なマナーです。
これらのルールを守らなければ、知らない間に法律を破っていたり、自分の身が危険にさらされたりする可能性があるので注意が必要です。
そこで、野生の植物を採取する上で押さえておきたいポイントをご紹介します。
①採取禁止された場所では採取しない
原則的に採取許可が取れた場所で採取しましょう。
私有地や自然が保全・保護されている自然公園での採取は特に注意が必要です。
法律違反となる可能性があるので、予め採取可能な場所かどうか、採取地の情報を確認してから採取しましょう。
自然公園の保全範囲や採取禁止植物は、各都道府県や環境省のHPから確認することができます。また、地権者情報は、各市町村の役所や法務局で確認ができます。
②取りすぎない
周囲の植物やその他の生きもの、環境への影響を考えつつ、必要な分だけ、また、必要な部分だけ採取しましょう。
③有毒生物や害を及ぼす危険生物に気を付ける
見た目が似ている有毒植物が存在することもあるため、植物の正確な識別が重要です。
また、皮膚がかぶれるウルシ等の植物やトゲのある植物も存在します。
草や樹木は、その特徴的な姿や葉、花、果実などで識別できます。しかし、書籍だけでは実物の見分けが難しいこともあります。
基本的な特徴の理解とともに、初心者はまず経験者とグループ行動をするとよいでしょう。
また、攻撃性のあるハチやヘビ、クマやイノシシなどの生きもの、吸血性のマダニやヒルなどの生きものにも十分注意しましょう。
採取の際は、長袖長ズボンがよいでしょう。
④危険な場所は避ける
見た目は大丈夫だと思っても除草剤などがかけられている場合もあるので、利用履歴を確認したり、その可能性がある場所は避けたりしましょう。
大雨後の河原や斜面等、危険が予想される場所を避けましょう。
また、急な天候の変化に注意し、天気予報や空の様子などをきちんと確認しましょう。
⑤採取時間を決めておく
食べられる植物を見つけようと、ついつい時間を忘れて探索・採取してしまうことがあります。
また、季節によっては熱中症にも注意が必要です。
採取を始める前には計画的に、ルートや帰る時間を決めておきましょう。
また、なるべく1人で採取には訪れず、複数人の人と訪れたり、誰かと計画を共有したりしましょう。
3.おすすめ本紹介
それでは、初心者におすすめしたい、野生の植物を食材として取り扱う本を紹介します。
①『道草を食む 雑草をおいしく食べる実験室』
作:Michikusa 出版社:CCCメディアハウス
発売:2023/10/20 定価:1870円(本体1700円)
Amazon Kindle版1,683円(変動する可能性あり)
身近にある食べられる野草の中から、特におススメな雑草21種について、植物の生存戦略や不思議な生態、摘み方や、食べる以外の活用法を紹介。五感をフルに使って楽しめる道草ハントを伝授。
③『和ハーブのある暮らし』
作:平川 美鶴 出版社:エクスナレッジ
発売:2022/6/1 定価:1,760円(本体1,600円)
江戸時代以前より日本で広く用いられてきた有用植物を示す『和ハーブ』。植物民俗研究家である著者が、現代のライフスタイルに合わせた『和ハーブ』の知恵や工夫を紹介。
⑤『薬学博士が教える 手づくり野草茶レシピ』
作:中山 智津子 出版社:山と渓谷社 発売:2022/5/18 定価:1,540円(本体1,400円)AmazonのKindle版だと0円(変動する可能性あり)
薬学博士である著者が、身近な野草や木の葉を使った63種の野草茶のレシピを紹介。採り方から加工方法までわかりやすく解説し、悩み別に合わせたブレンド茶も必見。
⑥『体の不調を自分で治す 薬草図鑑 (マキノ出版ムック)』
編:企画編集部 出版社:マキノ出版
発売:2021/6/16 定価:880円(本体800円)
身近な薬草25種類以上の摘みどきや活用法を紹介。薬草生活の入門書となる1冊。
⑦『食べられる草ハンドブック』
作:森 昭彦 出版社:自由国民社
発売:2021/8/2 定価:1,540円(本体1,400円)
Amazon Kindle版 1,509円(変動する可能性あり)
食べられる野草を季節ごとに約160種紹介。おススメの調理法やイチオシの植物が一目で分かるのがポイント。コンパクトで持ち運びにも便利。
⑨『野草をおいしく食べる本 (フィールド別 見分け方、採り方、食べ方 110種)』
作:大海淳 出版社:standards
発売:2018/7/28 定価:1,650円(本体1,500円)
Amazon Kindle版 1,430円(変動する可能性あり)
山菜採りの達人である著者が、食べられる野草110種を野原、水辺、山地などのフィールド別に紹介。植物の生態、見分け方、食用部位、採取の適期、調理法、味や食感の特徴、間違えやすい毒草、薬効、その他の利用法など、多岐に渡って詳しく解説。
⑪『食べる野草図鑑 季節の摘み菜レシピ105』
作:岡田 恭子 出版社:日東書院本社
発売:2013/3/29 定価:1,430円(本体1,300円)
Amazon Kindle版 1,030円(変動する可能性あり)
健康的な料理を追求してきた著者が、身近な野草のレシピを季節ごとに105品紹介。身近な野草図鑑としても使え、持ち運びしやすいA5版サイズ。
⑬『【ハンディ版】野草図鑑――食草・薬草・毒草がわかる (アサヒ園芸BOOK) 』
作:金田 洋一郎 出版社:2023/4/24
発売:朝日新聞出版 定価:1,430円(本体1,300円)
Amazon Kindle版 1,400円(変動する可能性あり)
身近な植物360種を季節ごとに紹介。生態や形態、利用方法などを丁寧に解説。コンパクトで散歩にも持ち運びしやすい1冊。
⑮『山菜&きのこ採り入門 見分け方や保存法、おいしく食べるコツ (ヤマケイ文庫)』
作: 大作 晃一 出版社:山と渓谷社
発売:2018/6/13 定価:1,320円(本体1,200円)
Amazon Kindle版 0円(変動する可能性あり)
山菜ときのこについて、全87種の見分け方や保存法、おいしく食べるコツをフィールド別に紹介。似ている毒草や毒きのこも合わせて解説。
4.まとめ
いかがでしたか?
自然に存在する食材は、私たちに無限の可能性をもたらします。
季節ごとの美味しさや健康への恩恵を感じ、野生の植物を通じて食卓を新たに彩りませんか?
自然との共生を大切にし、新しい食の発見をぜひ楽しんでください。