
はじめに
植物の花にはたくさんの形があります。
「植物の種類をもっと覚えたいけどポイントがよくわからない・・・」
「植物の花っていろいろな形があるけど、どこに違いがあるのかな・・・」
そのような方のために、花の形に注目し、植物を深く知っていくためのポイントを押さえていきたいと思います。
今回は裸子植物の花に注目して紹介します。
最後に確認クイズもあるのでぜひ挑戦してみてください♪
裸子植物とは
裸子植物は、種子のもとである胚珠が心皮に包まれず露出した植物のことを指します。
イチョウ類、ソテツ類、針葉樹類、グネツム類の4群に分けられます。

日本では、九州~沖縄地方に生育するソテツ1種と、針葉樹類45種ほどが自生しています。
どれも木本植物(樹木)で、草本植物(草)はありません。
裸子植物は、種子を形成する植物の中で、祖先的な特徴を持つと考えられています。
また、針葉樹類には先駆植物(裸地にいち早く侵入してくる植物)という生き方を行うものが多く、寒冷・乾燥・貧栄養などの過酷な環境下での競争では被子植物より強いと考えられています。
日本に自生する裸子植物の代表例
日本に自生する裸子植物の代表例を5つ紹介します。
①ソテツ
【ソテツ科 学名:Cycas revoluta 】


・九州~沖縄地方に分布
・雄と雌の木がある雌雄別株
・外観はヤシに似ているが、分類系統は遠縁
・中生代から形態や繁殖様式が変わっていないため、「生きている化石」と呼ばれる
②アカマツ
【マツ科 学名:Pinus densiflora 】


・常緑針葉樹
・北海道〜九州地方の尾根筋や岩山などに生える
・新枝の基部に淡黄色の雄花が多数つき、先端に雌花が2〜3個つく
・庭木や建築材によく使われる
③ヒノキ
【ヒノキ科 学名:Cryptomeria japonica】

・常緑針葉樹
・山地の沢沿いに多いが、岩上や湿原にも生える
・本州~九州に分布
・雌花・雄花も枝先につく
・全国的に植林されている
④イチイ
【イチイ科 学名:Taxus cuspidata】

・常緑針葉樹
・北海道~九州地方に分布
・雄と雌の木がある雌雄別株
・種子を覆う赤い部分は、被子植物の子房に由来する果肉ではなく、胚珠の柄部である胎座が肥厚した仮種子
⑤ナギ
【マキ科 学名:Nageia nagi】

・常緑針葉樹
・本州西部、四国、九州南部、沖縄地方に分布
・雄と雌の木がある雌雄別株
・葉は針葉樹の中では異例の、広葉樹のような幅広い葉を持つ
覚えたい人のための確認クイズ!!
①裸子植物は〇〇が心皮に包まれず露出しています。〇〇に入る言葉は何でしょう?
②日本の裸子植物は、針葉樹類と、九州~沖縄地方に生育する、ある植物が自生しています。何という植物でしょう?
③イチイの種子を覆っている赤い部分は何というでしょう?
まとめ
いかがでしたか?
今回は花の形の違いを、裸子植物に注目して紹介しました。
裸子植物の花は、派手さこそないものの、自然の中でたくましく生きるための工夫がたくさん詰まっています。
被子植物とは異なる方法で、種子を作り、次の世代へ命をつないでいる姿は、植物の多様性を知る上でも大切です。
このように、普段何気なく見ている植物たちにも、それぞれの生きる知恵や工夫があると知ると、より自然を身近に感じられるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
参考文献・HP
・岩瀬徹・大野啓一(2004)『写真でみる 植物用語』 全国農村教育協会
・茂木透・石井英美・崎尾均・吉山寛・太田和夫・勝山輝男・高橋秀男・城川四郎・中川重年(2000) 『山溪ハンディ図鑑3~5 樹に咲く花①~③』山と溪谷社
・https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A3%B8%E5%AD%90%E6%A4%8D%E7%89%A9 2025/01/28