~身近な野生の果実とその魅力~自然の宝石、青い実や種をつける植物たち

1.はじめに

身近な自然の中には、鮮やかな青い実や種をつける植物が存在します。

青い実や種は、その美しさで私たちの目を楽しませてくれます。

今回は、青い実をつける7種類の植物の魅力や特徴についてご紹介します。

「これ、見たことある!」と思えるような植物も登場するかもしれません。

いつもの景色の中に隠れている、小さな自然の宝物を一緒に見つけてみませんか?

2.野生にある青い実・種の植物たち

【クサスギカズラ科 ジャノヒゲ属 学名:Ophiopogon japonicus】 

・冬でも緑の葉が残る常緑性の草

・北海道〜九州の山地の林内に生え、庭園や公園に植えられることが多い

・花期は7~8月で、白色または淡紫色の花を穂状につける

・黒色の果皮は早く落ち、碧色(へきしょく=青色、緑色)の種子がむきだしになって成熟し、10月から翌年の5月ぐらいまで見られる

・シロハラなどの鳥やタヌキなどが実を食べる



 【ツユクサ科 ヤブミョウガ属 学名:Pollia japonica 】 

・多年草

・関東地方以西〜九州の林内に生える

・花期は8〜9月で、白い花が咲く

・晩夏以降、実は藍紫色に熟す



【タデ科 イヌタデ属 学名:Persicaria perfoliata】 

・つる性の1年草

・日本各地の川原や砂地に生える

・花期は7〜10月で、実は青色〜紫色に熟す



【ツヅラフジ科 アオツヅラフジ属 学名:Cocculus trilobus】 

・落葉する木性のつる

・北海道、関東地方以西の低地の草原や道端、林縁など

・花期は7〜8月で、黄白色の花をつける

・雄の木と雌の木がある

・10〜11月に実が粉白を帯びた青色~黒色に熟すが、有毒

・ヒヨドリなどの鳥が実を食べる



 【ブドウ科 ノブドウ属 学名:Ampelopsis glandulosa var. heterophylla 】 

・落葉する木性のつる

・北海道〜沖縄の山野に普通に生える

・花期は7〜8月で、黄緑色の小さな花を多数つける

・実は秋に碧色(へきしょく=青色、緑色)、紫色やなどになる

・タマバエやハチの幼虫が寄生して、虫こぶを作ることが多い



【ハイノキ科 ハイノキ属 学名:Symplocos sawafutagi】 

・落葉性の低木

・北海道~九州の丘陵から山地の沢や湿地などの湿り気のある落葉樹林内に多く、林縁、草原などにも生える

・花期は5–6月で、白い花を咲かせる

・果期は9–10月で、熟すと鮮やかな瑠璃色になる

・メジロやキビタキなどの鳥が実を食べる



【シソ科 クサギ属 学名:Clerodendrum trichotomum var. trichotomum】 

・落葉小高木

・北海道〜沖縄の日当たりのよい山野の林縁や沿海地に生える

・花期は7月下旬〜9月で、芳香のある白い花を多数つける

・実は10〜11月に熟すと光沢のある藍色になる

・ヒヨドリやシジュウカラなどの鳥が実を食べる

5.おわりに

いかがでしたか?

青い実や種をつける植物は、私たちの身近な自然にも存在し、その鮮やかな姿で私たちの目を楽しませてくれます。

また、それらは鳥や小動物たちのエサになるなど、生きもの同士のつながりもあります。

普段の散歩道や公園で、小さな青い実を見つけたら、少し立ち止まって観察してみてください。

新しい発見が待っているかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。

参考文献・HP
茂木透・石井英美・崎尾均・吉山寛・太田和夫・勝山輝男・高橋秀男・城川四郎・中川重年(2000) 『山溪ハンディ図鑑3~5 樹に咲く花①~③』山と溪谷社
平野隆久(2013) 『野に咲く花増補改訂新版』山と渓谷社

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