ビオトープ管理士とは
だれでも独学や講習で挑戦できる!
「自然の中で仕事がしたい!でも資格も経験もないしな...」
「生きものを守る活動がしたいけど何から始めればいいのかな...」
そのような方におススメしたいのが2級ビオトープ管理士の取得です!
ビオトープ管理士は、人と自然が共存するまちづくりの専門家として、地域の生きものたちが生息する空間「ビオトープ」の保全・再生活動をします。
2級はだれでも受験でき、環境保全の知識や指導能力の基礎を備えられます。
また、合格後は他のビオトープ管理士と共に活動する場が用意されているので初心者でも安心して経験を積むことができます。
自分の身近にある自然を守りたい人、環境を守るために何か活動をしたい人、自然保護や環境教育に興味がある人、SDGsを推進したい人にはぜひおススメです。
試験概要
それでは、さらに詳しくみていきましょう。
2級ビオトープ管理士の試験は公益財団法人日本生態系協会が年1回実施する試験合格が必要です。
概要は以下の通りです。
試験は、11月にある筆記試験のみです。
2級ビオトープ管理士は「計画部門」もしくは「施工部門」のどちらかを選択して受験します。
「計画部門」は、ビオトープの保護・保全、復元、創出を踏まえた広域的な地域計画(都市計画、農村計画など)を行うプランナーを目指す人、「施工部門」は、設計・施工にあたる事業現場担当の技術者を目指す人が対象です。
よって、合格後は「計画部門」受験者は「2級ビオトープ計画管理士」、「施工部門」受験者は「2級ビオトープ施工管理士」の資格が得られます。
自分が計画部門と施工部門のどちらを将来やりたいのかを考えて受験を選択しましょう
また、試験は免除認定校や、他の部門の取得も目指す他部門受験では免除される試験項目があります。今回は省略しますが、詳しく知りたい方は以下の公式HPからご確認ください。
公式HP:ビオトープ管理士試験
ちなみに1級には別日程で口頭試験もあります。
試験詳細
試験では、「計画部門」と「施工部門」のどちらも、選択問題と小論文を限られた時間内で解答します。
選択問題には共通科目と専門科目があり、専門科目では各部門それぞれについての問題が出題されます。
選択問題の合格基準は共通科目と専門科目のそれぞれ60%以上正解が条件です。小論文の合格基準は「可」の評価を得ることです。
選択問題と小論文の全ての合格基準を満たした方が合格となり、資格が得られます。
ただし、選択問題の合格基準を満たさない場合は、小論文は評価されず自動的に不合格となります。
つまり、選択問題の合格が第一関門となります。
試験に出題される詳しい内容は以下の通りです。
選択問題
①共通科目
・生態学 :生態系の構成要素、機能、生物と環境の間の相互作用などに関する事項
・ビオトープ論:ビオトープの理念、保護の考え方および方法などに関する事項
・環境関連法:自然環境および野生生物の保護などに関する法制度(主に専門科目の範囲外)
②専門科目
計画部門
都市計画や農村計画などの土地利用計画等において、自然生態系の保護・保全、復元、創出を目的とした場合の構想、計画、設計などに関する事項と、それらに関する法制度
施工部門
野生生物の生息・生育空間を保護・保全、復元、創出する際の設計・施工全般に関する事項と、それらに関する法制度
小論文
主に受験者のビオトープ管理士としての意志や信念を問うものが出題されます。
テーマを1つ選択し、それに関して指定文字数に沿って記述します。
2級は400字以内で解答するものが原則となっています。
公式HP:ビオトープ管理士試験
ビオトープ管理士WEBセミナーについて
主にビオトープ管理士2級の試験対策として、特におさえておきたいポイントを解説するWEBセミナーです(受講料:税込20,999円)。
レンタル受付は試験日当日の11月上旬まで可能です。
受講には、『改訂版 ビオトープ管理士資格試験 公式テキスト』を元に行うため、希望する人は用意を忘れないようにしましょう。
公式HP:ビオトープ管理士WEBセミナー
合格後の流れ
合格後は、日本ビオトープ管理士会とビオトープ管理士継続教育の2種類が自分の能力を向上させる場として用意されています。
日本ビオトープ管理士会
全国にいる1万人以上のビオトープ管理士が繋がることができる場です。地域に密着した各支部があり、勉強会やイベント活動を行っています。
公式HP:日本ビオトープ管理士会
ビオトープ管理士継続教育
ビオトープ管理士としての活動が「継続教育ポイント」になり、これを申請することで自分の能力向上を目指した活動に対する証明書が発行できます。
参加はあくまで任意ですが、証明書は事業や就職活動のアピール、イベント活動での信頼の証など、様々な場面での活用が期待できます。
証明書は過去3年分が発行できます。
費用は、最初の「参加者登録の手数料」と、「証明書の交付手数料」のみなのでおススメです。
詳しい費用は公式HPからご確認ください。
公式HP:ビオトープ管理士継続教育
ビオトープ管理士会は、資格試験や継続教育制度を行う公益財団法人日本生態系協会とは異なる団体なので間違えないように注意しましょう。
活動の場
ビオトープ管理士の資格は、あらゆる業種で生物多様性や持続可能、SDGsという観点が不可欠となった中、環境問題に関わる業務への信頼度を高める要素となっています。
例えば、都市・地域計画、土木・造園、農業、環境調査、製造、不動産、サービスといった業種で他社との差別化や生物多様性の方面への特化を目指すことが可能です。
もちろん、専門性が求められるビオトープ事業では、環境省や国土交通省、各地の地方自治体などにおいて入札資格に用いられる例も多くあります。
このように、ビオトープ管理士の資格は、「自然事業の専門家」としての証として様々な方面での活用が期待できます。
まとめ
今回は未経験でも挑戦できる、2級ビオトープ管理士になる方法を紹介しました。
2級ビオトープ管理士は、このような特徴があります。
- 誰でも独学や講習で2級ビオトープ管理士の試験に挑戦できる
- 自分の目的に合わせて「計画部門」か「施工部門」を選択して受験できる
- 合格後も日本ビオトープ管理士会や継続教育制度で経験を積む場があり、成長や自信につなげられる。
自然保護や自然再生に興味があり、知識や経験を深めたい方はぜひ挑戦してみてください。
以下に参考図書も載せているので是非ご覧ください。
参考書
ビオトープ管理士資格試験の公式HPから過去の問題集や、テキストが購入することができます。(→こちら)
ただし、過去問をダウンロードするには公益財団法人日本生態系協会のエコネット会員に無料登録する必要があります。
その他、公式HPで紹介されている参考図書は以下の通りです(ほぼAmazonにて購入可能)。
・改訂版 ビオトープ管理士資格試験 公式テキスト ―2級ビオトープ計画管理士・施工管理士対応―
・環境を守る最新知識(第2版)
・トマトはなぜ赤い
・ビオトープの基礎知識
・野生生物保全技術(第2版)
・都市の樹木433 (ポケット図鑑
・ビオトープ再生技術入門
・自然生態修復工学入門 ―荒廃した里山を蘇らせる―