~葉の形を知ろう⑤~ その他の特徴

はじめに

葉は植物が生きるために欠かせない重要な器官です。

葉の仕組みを知ると、葉の形だけで植物の種類が分かることもあります。

「植物についてもっと知りたいけど何から調べたらいいかよくわからない・・・」

「何となく、植物の葉って形が違うのはわかるけど、どう違うかは知らないな・・・」

そのような方のために、植物を深く知っていくためのポイントを解説します。

今回は、これまでの「葉の形を知ろう」シリーズを踏まえ、その他の葉に関連する部分をいくつか紹介します。

最後に確認クイズもあるのでぜひ挑戦してみてください♪

針葉樹の葉

針葉樹は、その名の通り、多くが細長い葉の形をしています。

大まかな分け方は3通りあります。

針形(しんけい)マツのような針状の葉の形。葉の中央の脈は不明。
線形(せんけい)モミやツガのような細長い幅の葉を持つ。葉の中央の脈は明瞭で、葉の裏に気孔帯(気孔の集まり)を持つものが多い。
鱗形(りんけい)ヒノキのような扁平な鱗の集まりが細長い葉のようにみえる。葉は対になって茎を包んでいる。

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葉に付属するもの

植物の中には、葉に付属物を持つものがいます。

腺体(せんたい):葉の分泌物に関係する部位。


アカメガシワの葉の基部
密腺(みつせん)被子植物の密液を分泌する部位のこと。昆虫を誘引するといわれている。

花の蜜腺に対して花外密腺(かがいみつせん)という。 

(例)サクラの仲間、アカメガシワなど
腺点(せんてん)葉の基本組織系にある、分泌物や排泄物が大量に蓄積されている部位。

分泌物の種類によって、油腺、精油腺、樹脂嚢、粘液嚢などと区別することもある。

サンショウ
明点(めいてん)ルーペなどを使い、葉を透かしてみると見える透明な小さな点。

(例)サンショウ
準備中…黒点(こくてん)ルーペなどを使い、葉を透かしてみると見える黒い小さな点。

(例)オトギリソウ

星状毛(せいじょうもう):葉の表面(ひょうめん)にみられる放射状に密生する毛。紫外線や昆虫による食害を防ぐ役割があるといわれている。

ヤブムラサキの星状毛

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その他

鱗片葉(りんぺんよう):一般的にイメージする扁平な葉を普通葉(ふつうよう)と呼ぶのに対し、小型で形の特殊なものをと呼ぶ。


ブナの芽鱗
芽鱗(がりん)春に備えた芽(冬芽)を包んでいる鱗片葉。

ミズバショウの白い苞
苞(ほう)花の基部にあり、つぼみを包む鱗片葉。苞葉(ほうよう)ともいう。

花の付いている茎を含む(花序)場合は総苞片(そうほうへん)、その集合を総苞(そうほう)という。

単面葉(たんめんよう)
普通葉の中にも変形した葉を持つものがあります。
葉の裏面しか見えない、筒状や二つ折れになっている葉。ネギやショウブなど。

捕虫葉(ほちゅうよう)
虫を捕まえて食べる葉のこと。食虫植物(しょくちゅうしょくぶつ)が持つ。(例)モウセンゴケ、ムシトリスミレなど

モウセンゴケ


異形葉(いけいよう)
1つの個体に形の違う葉がつくこと。 (例)サンショウモ、スイカズラなど

覚えたい人のための確認クイズ!!

①ヒノキの葉の形は何と呼ばれているでしょう?

 

②昆虫を誘引するといわれている密液を出す葉の部位を何というでしょう?

 

③春に備えた芽(冬芽)を包んでいる鱗片葉のことを何というでしょう?

 

まとめ

いかがでしたか?

ぜひ参考にしてみてください。

参考文献・HP
岩瀬徹・大野啓一(2004)『写真でみる 植物用語』 全国農村教育協会

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